大ヒット映画「君の名は」の感想。新海誠監督の新境地。radwimpsの曲とストーリーのライヴ感がすごかった!

<h2>君の名は の感想 新鋭 新海誠監督の新たな境地</h2>
大ヒット映画の新海誠監督「君の名は」観てきました。
なんと、連休中とはいえ、早朝9時25分からの会でも大満員!
社会現象ともなっていることもあり、観客層は小学生から年配の方まで、幅広い層が見に来てました。
私も40歳なので、映画のターゲット層とずれているのでは?と心配しながら観に行ったのですが、心配無用で大変楽しめました!青春映画ですが、設定こそ乙女チックですが、ストーリーは決して甘酢っぱすぎることはなく、エンターテイメントに徹して見れますので、私同様、30~50歳代の方で迷っている方も是非劇場に行って観てくださいね。
<h3>新海誠監督「君の名は。」の簡単なあらすじ と感想</h3>
高校生の男の子と女の子が入れ替わる・・・どことなく聞いたことがあるようなストーリーです。
しかし、今まででよくあるのは、街でぶつかったりして、知っている人と入れ替わる設定なのに対して、映画「君の名は」の設定で特徴的なのは、入れ替わる相手が、遠く離れた街の同年代の異性という、日常生活で全く接点がない人だとうこと。

飛騨の聖地・山奥に済む宮口三葉(声優:上白石萌音)は、ある日起きたら憧れていた東京に済む同年代の男子高校生 立花瀧(声優:神木隆之介)に入れ替わっており、お互い知らない人として1日を過ごす。

つまり、お互いの面識がない2人が、普通に寝て起きたら、全く知らない人に入れ替わってる。そして、1日単位で元の体に戻ってしまう。
それが週に3日ほど頻繁に起きるようになってきて・・・という不思議な話なのです。

なぜそうなるのか・・といった説明や原因が、最後になっても明確に解明される訳でもなく、なんとなく不思議な事が起こる。

そして、元の体に戻ったときには、入れ替わった時の記憶は薄れてしまう・・というなんとも都合の良いストーリーなのですが、これを「なぜ?」とか引っかかる人は、この映画を楽しめないと思います。

映画自体に疾走感があり、展開力が優れているので、私は観ている際はそれほど気になりませんでしたが、観た後に色々頭で整理されてくると、ちょっと気になるくらいでしょうか(笑

とはいえ、私も基本的には 大変面白かった!というのが正直な感想です。
<h3>「君の名は。」を観ての感想1 ジブリ映画以外で久々に面白いと思ったアニメだった</h3>
君の名を観て、大人が観るアニメ映画として、いかに宮﨑駿監督と高畑勲監督を中心とするジブリ映画ばかり観てきたか・・という事を再確認しました。

つまり、スタジオジブリ制作の映画は、ストーリーやキャラクターは違えど、やはり絵や展開の仕方・・というのはスタッフが同じなので似てしまうもの。

それが今回は新海誠監督という、まったくスタジオジブリと関わりのない監督であるため、特にジブリ映画ではありえないような映画の始まり方をしますので、最初のシーンから、すごく新鮮でした。

アニメを観る・・ということは、ジブリ映画を観る・・に等しかったのが、新しい若手の登場で新しい流れが出来てきたと感じました。

※ちなみにですが、作画監督は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』のスタジオジブリ出身の<strong>安藤雅司</strong>さんが担当されています。
そしてキャラクターデザインは、知る人ぞ知る<strong>田中将賀</strong>さんが担当。
新海誠監督が希望した人すべてが集まったそうで、「こんなすごい方々に集まって頂けたのは本当にラッキー」とインタビューで答えられています。

前作「言の葉の庭」の興行収入がたった1億5千万円だったのに、「君の名は」は現時点で145億(2016年10月上旬時点)というとんでもない興行収入記録を出しているのは、色々な人の才能が、シナジー効果で作品の質を一気に引き上げることができた事が要因だと新海誠(しんかいまこと)監督自身も語ってられます。
<h3>「君の名は。」を観ての感想2 アニメ=オタク映画の終わり</h3>
この映画の特徴は、兎にも角にも「エンターテイメント一直線」なところ。最初にも書きましたが、なぜそうなるの?とか不思議な現象にリアリティを持たせたりするようなサブストーリー的なものがありません。

ケーキで例えるなら、パティシエが造る技巧派のケーキでもなく、地方で作られる伝統菓子でもありません。そんな複雑にするよりも、もっとシンプルで老若男女問わない・・そう「ロールケーキ」や「バームクーヘン」といったすごくわかりやすいストレートなお菓子に例えるほうがしっくりきます(笑

ところが、今までのアニメ映画のヒット作を思い出してみると・・・特にスタジオジブリ以外のヒットアニメ映画というと・・・

例をあげると・・「攻殻機動隊」「エヴァンゲリオン」「アキラ」など大変コアなファンが多くついている漫画や、TVアニメの映画化が多く、ストーリーも非常に複雑でわかりづらいものが多いと思いませんか?

「君の名は」は、青春恋愛ストーリーなので、老若男女楽しめますし、いたってシンプルな絵とストーリーです。
つまりオタクが好む内容とは全く異なる映画だからこそ、ここまでヒットしたのですが、逆にいうと、今まではオタク系の複雑なアニメしかヒットしなかった常識に、大きな風穴を開けたといえるでしょう。

なにかこの映画の大ヒットをきっかけに、続々とエンタメ系のアニメ映画が出て来る予感がします。
<h3>「君の名は。」を観ての感想3 radwimps挿入歌とのライブ感が良い</h3>
radwimps(ラッドウィンプス)は横浜市出身の若者に大人気の4人組バンドだそうです。
恥ずかしながら、私はこの映画を観るまで全くこのバンドの存在自体を知りませんでした。

そんな私でも、観終わった後は、劇中に流れていた音楽が誰なのかをすごく気になり、すぐに調べました。

すると、この映画を観て音楽が気になるのは当然だと思いました。

なぜなら、既存の曲を映画に使用したのではなく、なんと新海誠監督もファンであるradwimpsの作詞作曲を手がける野田洋次郎さんに、映画の脚本段階で楽曲制作を依頼し、映画に合わせた作詞・作曲を一から制作してもらったそうです。

楽曲だけでなく作詞もぴったりシーンとマッチしていたのは、こういう経緯があったからなんですね!

スタジオジブリを観ていると、久石譲さんが音楽を担当されている事が多いので、したがってアニメ=オーケストラ音楽が当たり前だと思っておりましたが、今回のradwimpsのように、ロック音楽でじわじわ盛り上げて、サビのところで映像と音楽が一体化する感覚は、とても新しいスタイルだと思いました。

ちなみに、radwimpsは、アルバム「君の名は。」というCDをリリースしています。
主題歌4曲“前前前世”“スパークル”“夢灯籠”“なんでもないや”と劇伴22曲が収録されていますので、映画を観て、音楽を気になった方は是非チェックくださいね!

わたし個人的には、最後のクライマックスで流れてくる「スパークル」が良かったと思いましたね。
<h3>最後に「君の名は。」の感想まとめ アニメの常識を変えた!</h3>
色々書きましたが、個人的に非常に楽しめました!
ジブリ映画でもなく、それほど有名でもなかった監督の映画が興行収入145億を突破する!のはやはり作品が面白いからに違いありません!
そして、既存のアニメのようにオタク性が少なく、青春映画のようにライトに見れるので、幅広い層に受け入れられたことも大きな原因だと思います。

しかし、やっぱり映画の完成度・・となると、宮崎駿監督のほうが1枚も2枚も上手のように個人的には思いますので、次回作にはさらなる期待をして観たいと思います!