ダラス・バイヤーズクラブ~マシュー・マコノヒーが17kg減量して望んだ演技が見物

第86回アカデミー賞3部門受賞!主演&助演男優賞W受賞! 余命30日の宣告を受けたエイズ患者が、命をかけて権力に対抗する マシュー・マコノヒーが17kg減量してエイズ患者を熱演!アカデミー賞主演男優賞オスカー受賞 ゲイの役をジャレッド・レトが30ポンド(13.6kg)減量して熱演!アカデミー賞助演男優賞受賞

ダラス・バイヤーズクラブの基本情報・感想レビュー

監督: ジャン=マルク・ヴァレ 公開年: 2013 年 映画時間: 117 分

出演: マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ガーナー、ジャレッド・レト
原題: Dallas Buyers Club

ダラス・バイヤーズクラブの評価・採点
かに助おすすめ度 3.0
気軽に観れるか 2.5
2回目観たい度 3.0
管理人の映画感想はこちら

ダラス・バイヤーズクラブのあらすじ(ネタバレ無し)

1980年代の実話を基にした映画。カウボーイのロン・ウッドルーフは、自己中心的な性格で自堕落な生活を送っていた。

ところが、ロンは突然意識を失い搬送された病院で、実はHIVに感染しており、末期症状だと医師から宣告される。

当時HIVはホモセクシャル特有の病気を信じられていたため、ロンは診断を信用しない。だが体調の悪化を感じたロンは、ホモセクシャル以外の性交でも17%感染している事実を知り、自らがHIVに感染していると自覚する。

そして、国内、海外のあらゆるHIVについての情報を入手していく。

そして、臨床試験中の新薬AZTを処方してほしいと医師に頼むが、主治医のイヴ・サックスには「安全性の承認が確保できない薬は、新薬試験の被験者以外には処方できないと断られる。

AZTを入手しようとしたロンは、ホモセクシャルで被験者のレイヨン(ジャレッド・レト)と知り合う。
レイヨンは、自らが処方されたAZTを横流しして利益を得ており、ロンにも持ちかける。

ところが、そのAZTの効果は1年ほどで薄れ、逆に副作用が大きい薬とロンは知る。

そしてその代わりとなる薬がアメリカ以外では承認されているのを知り、ロンはアメリカに持ち込もうとするが当時はFDA(食品医薬品局)の薬の認可が遅れ、アメリカでは有効なHIVの薬を買うことができなかった。

そこで密輸のような方式をとり、様々な薬をアメリカに違法に持ち込みし、それを会員制の「ダラス・バイヤーズクラブ」内で販売していく。(薬を販売するとすぐに捕まるので、薬は無料で配るが、購入権利を持つ会員権名目でお金をもらう)

HIVの未承認薬の密輸販売サービスは、最初は自ら生きるため、薬のお金を稼ぐための自己利益ばかりを考えていたロンの考え方が、自ら気づかないうちに徐々に変化していく・・。

映画「ダラス・バイヤーズクラブ」の評価(管理人の感想)

マシュー・マコノヒーの演技とジャレット・レトの演技は確かに見応えがあった。
2人ともHIV患者を演じるために、体重を大幅に落として役作りをしている。マシュー・マコノヒーは、彼だと言われなければ気づかない外見になっており、役に対する意気込みを感じた。

しかし、それが役柄なので仕方がないのだが、HIV感染者で乱暴者のロンは、我々が魅了されるような、表情や台詞で魅了するよう演技ではなく、末期症状の病人が、「生」に固執するリアルな演技だったと思う。

だから、演技というよりは、ドキュメンタリーのように感じる部分もあった。

もしマシュー・マコノヒーを知らなくて、この映画を見たら、凄い演技だったな・・と同じ感想を持つだろうか?と自らに問うてみたら、うーんと悩んでしまう。

逆に考えると、それくらい主人公の生き様がリアルに感じるので、凄いって事なんだろうけど。。。

ストーリー自体も、勧善懲悪ではないグレーゾーンの話だ。

元々 素行が悪く自己中心的な人物が、自己の生きる為に違法な輸入を初めて、結果的に良いことをした的に描かれているので、主人公のロンに感情移入するのも少々難しい。

実在したロンが、どの程度のワルだったのかは知らないけど、余命宣告をされて、自分の命が僅かだと知ったら、ほとんどの人は多少は良い行いをするだろうと思う。

FDA(食品医薬品局)に立ち向かう・・という姿も、結果的にそうなっただけで、あくまでロンの行動の原動力は「正への執着」だったでしょう。

脚本家が、実話にどの程度脚色を入れて美談にするか、しないかが迷っただろうと思う。そしてどの部分へ焦点を当てるかも・・・

この映画で教訓を得るならば、「残り一ヶ月の余命」と宣告された時に、どのような行動を人はとるのか?
それはいつか誰にでも起こりうる事だ。
そして、ロンのように、行動して困難に立ち向かっていけば、色々な協力者とも出会い、賛同の輪が広がる可能性があるということでしょうか?

病気による自己成長を描いていはいますが、主人公の心の変化をもう少しわかりやすく描いてくれば、もう少し良い印象になったのかなと思いました。

アマゾンの評価がとても高いのに逆にビックリしました・・