ウルフ・オブ・ウォールストリート~海外版ホリエモンのバブル人生、子供は絶対観ないで~

アカデミー賞主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、アカデミー助演男優賞(ジョナ・ヒル)2人の演技がすごい! カネ・ドラッグ・セックスの酒池肉林!Fuck!を500回連発している無茶苦茶な映画 セックス、ドラッグシーンが多いので子供には絶対見せてはいけない! マーティン・スコセッシ&レオナルド・ディカプリオの黄金コンビ

ウルフ・オブ・ウォールストリートの基本情報・感想レビュー

監督: マーティン・スコセッシ 公開年: 2013 年 映画時間: 179 分

出演: レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー
原題: The Wolf of Wall Street

ウルフ・オブ・ウォールストリートの評価・採点
かに助おすすめ度 2.5
気軽に観れるか 2.0
2回目観たい度 1.0
管理人の映画感想はこちら

ウルフ・オブ・ウォールストリートのあらすじ(ネタバレ無し)

実在した株屋の栄枯盛衰を描く物語。ジョーダン(ディカプリオ)は大手証券会社で研修を終えた日に、ブラックマンデーの株大暴落で会社が潰れる。

なんとか株に関係のある仕事を探したところは、ゴミみたいな株を「頭の悪い人」達に営業電話で売りまくるセールス会社だった。

その会社でジョーダンのセールス電話の才能が開花してボロもうけする。羽振りの良い生活になったジョーダンに、同じマンションに住むトニー(ジョナヒル)が興味を持ち、ジョーダンが話しかける。

ジョーダンの給料明細を見たトニーは、すぐさま働いていた会社を辞めてジョーダンの下で株屋のセールスの仕事を始める。

ジョーダンはさらに大金を稼ごうとトニーと会社を興して独立する。そして社員を募集したが、麻薬のディーラーやプータローのような社会の底辺に属する人しか応募が来ない。

だが、ジョーダンの卓越なるセールス話術を、まったくのド素人にトレーニングして会得させる事に成功。

そして上位1%のお金持ちにジャンク債を購入させるという新しいビジネスモデルを構築して、会社はどんどん成長していく。

ところが、最初から顧客の利益など一切考えず、拝金主義のビジネスをしており、違法な取引ばかりして大金を得ることに注力していく。またドラッグにも溺れて、抜けられなくなっていく。

否が応でも目立つ存在になったジョーダンの会社は、FBIの検察官に目をつけられはじめる。

ジョーダンは、FBI捜査官の買収を試みるが・・・・・。

潮目が変わり、いつ捕まってもおかしくない状況になる。儲けた金を守ろうと、マネーロンダリングを考え始めると、ますますFBI捜査の追求を受けるようになり・・・

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の評価(管理人の感想)

この映画は賛否がわかれるだろう。確かに映画自体はとても完成度が高いし、なんといってもレオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒーの演技は最高だ。

マーティン・スコセッシのグッドフェローズ式のテンポの良い展開は、3時間という映画にしてはダレる所が少ないように思う。

でも!でも!それにしても179分!3時間は長すぎます。そしてセックス、ドラッグを何度も描きすぎです。何度も観たようなシーンが何度も何度も出てきます。その部分削って120分に出来るだろうよ!とツッコミを入れたくなります。

お金儲けの拝金主義だった若造が、ドラッグをセックスに溺れ、違法行為をして儲けまくる。ストーリー自体に深みも何もなく、このどうしようもない奴らのパーティー感を楽しむような映画なので、深みをこの映画に求める自体が酷なのはわかっております。

それを加味しても、「40才のおっさんには、得るものが何もない!」そんな映画でありました。

ちなみに、映画評論でも人気のラッパー。ライムスター宇多丸さんは、この映画を大大大絶賛されており、一応ラジオも聞いてみましたが、映画の見方がマニアックですね。

私も映画部に属していたので、マニアックに暑く語るのも好きですけど、一言でいえば「私と趣向が違う」。それにつきます。

前にも大絶賛された映画を観て、クソだな!と思った記憶があります。

しかし、そんなどうしようもない映画を、3時間も飽きずに見せてしまう演技。これは本当にすごい。ディカプリオもすごいけど、ジョナ・ヒルとマシュー・マコノヒーのほうがより印象に残った役どころだった。

この映画で一番重要なシーンは、最初のディカプリオとマシュー・マコノヒーのランチの場面だと思います。

ディカプリオが、まだ株屋に夢と希望を持っていた時に、「株なんか幻」。客のカネを自分のポケットに入れるだけの商売。客には夢を見せるだけみせて、現実にしてはダメ。と説く。

新しい会社を興したジョーダンは、言われたとおりの「あくどい」ビジネスで大成功するので、このランチが転機となるんだけど、ぶっとんだ上司の役どころのマシュー・マコノヒーの演技は、本当にキレてますね。

ちなみに、この時のマシュー・マコノヒーの鼻歌が、最後の話のフックにもなっているのですが、なんとこれは台本にはなくて、マシュー・マコノヒー自身、緊張を和らげるためにしている仕草・ルーティンだそうです。

休憩中に鼻歌を歌っていたところ、それが面白いので、本編でもやってみては?とディカプリオに提案されたそうです。

ディカプリオの助言、ナイス!ですよね。

さて、内容的にはドラッグとセックスと違法株行為をしつこく描く映画なので、40才のオッサン(私)が、この映画から得るものは何もない・・と書いたのですが、後から得るものを見つけたんです。

それは、この映画の主人公のモデルとなった実在の人物のほうの「ジョーダン・ベルフォート」です。

彼は、結局 株の違法行為で逮捕されるのですが、司法取引してわずか3年ほどで出所してます。それから彼は、その巧みすぎる話術を武器に、セールストークのセミナー講師として大成功を収めているんですね。

彼が考えた営業手法「ストレート・ライン・システム」は、アメリカで大ヒットして、日本でも2015年ごろに発売されています。

本のキャンペーン時の、彼の30分ほどのトークを聞いたのですが、まさにディカプリオが映画で見せていた口八丁ぶりを地でいく人です。話を聞いているだけで30分あっという間にすぎてしまいました。

ちなみに、実在の人物のジョーダン・ベルフォートが言うには、映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のエンディングは、最初は刑務所に入る所で終わりだったそうです。

それが映画を撮っている間に、本人がセミナー講師として大成功していき、そのコーチング能力も実際に高いと感じた脚本家が、映画の最後のシーンを、セミナー会場でペンの話をしている場面に変更したそうです。

「自分の映画を、過去の汚点ではなくて、現在の姿にエンディングを変える事ができた。」これがベルフォート本人の言葉です。

そして・・・映画のベルフォート(ディカプリオ)を紹介するセミナーの司会者のおじさん。この司会者は、実際のベルフォート本人が特別出演で出ています。ハリウッドらしいサプライズ出演ですね。