オデッセイ~深刻になりすぎないサバイバル帰還物語

オデッセイは、火星に一人取り残されたう宇宙飛行士(マット・デイモン)が、科学や植物学の知識をふんだんに使って、地球に帰ろうとするサバイバル物語。公開当初から大きな話題を呼び、全世界で興行収入6億ドルのヒットとなる。 アカデミー賞2016年に約7部門ノミネートされるが、結局オスカー受賞はしなかった。 英語題名は the Martian(火星の人) なのに邦題は「オデッセイ」となっており、邦題の付け方が変だと話題になりました。

オデッセイの基本情報・感想レビュー

監督: リドリー・スコット 公開年: 2015 年 映画時間: 141 分

出演: マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、
原題: The Martian 原作: アンディ・ウィアー「火星の人」

オデッセイの評価・採点
かに助おすすめ度 4.0
気軽に観れるか 4.5
2回目観たい度 3.5
管理人の映画感想はこちら

オデッセイのあらすじ(ネタバレ無し)

火星に探査できていた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マットデイモン)が、たった一人 火星に置いてきぼりになってしまうお話・・・

マーク・ワトニーは、火星への有人探査計画にクルーとして参加する。
しかし突如、大砂嵐に遭遇し、指揮官は危険と判断。全ミッションを放棄して火星からの脱出を決めるが、その際にロケットの大きなアンテナが折れて、マークの頭に直撃して吹き飛ばされてしまう。

他のクルー達は、目の前でマークがアンテナに直撃したの見て、死んだと判断して火星を出発する。

しかし、マーク・ワトニーは奇跡的に無傷で助かっていました。しかし彼が意識が戻った時には、他のクルーはすでに火星から脱出した後。たった一人、火星に取り残されてしまった事に気がつきます。

酸素も植物も存在しない・・食料もない・・その状況で、救出が来るまで1年以上!

人類至上、一番のサバイバル状況を乗り越えて,無事地球に帰還できるのか?といったお話です。

映画「オデッセイ」の評価(管理人の感想)

今まで、様々な宇宙飛行士モノの映画がありましたが、この「オデッセイ」は既存の宇宙モノとはひと味違った切り口の映画です。

舞台は「火星」ですが、この映画の隠れたテーマは「サバイバル」だと思います。たった一人、食料どころか酸素すらない火星。

究極に何もない状況で救出舞台が到着するまで1年以上、人は生きていけるのか?にフォーカスしたストーリーです。

主人公のマークが、植物学者であるという設定がキーポイント。宇宙飛行士の人糞を土にしてジャガイモを育てたりと、思いもよらない奇抜なアイデアで、問題をクリアしていく姿は観ていて痛快でもあります。

もう一つ、この映画の面白いところは、サバイバル映画の要素が強いのにもかかわらず、深刻になりすぎない「ゆるーい」雰囲気が随所にちりばめられてあり、観客としても、たった一人で過酷なサバイバルに挑戦するマークを、悲痛な気持ちになることなく、楽観的に観ることが出来ます。

特に印象的なのは、随所に流れる軽快なディスコ・ミュージック。

火星に、いや宇宙で一人ぼっちのマークは、気晴らしになるものを探します。
そのあたりの描かれ方が、今までの宇宙飛行士の描き方とは異なり、マークを身近に感じることに成功していると思います。

そして、、唯一、基地で見つかったのが、マークの上司で女性指揮官が置いていった時代遅れのディスコ・ミュージック。
趣味が悪いけど、これしか娯楽がないから聞くしかない・・という設定で、映画のバック音楽として流れるのですが・・

宇宙でたった一人ぼっちのマークが、底抜けに明るいダンスミュージックを聞く。
このアンバランスな設定が、この映画にポジティブな要素を与え、しかも、ラストの感動するようなシーンでも、ちょっと笑いの要素として使われたりします。

この辺の、ストーリーの中にちょっとしたジョークを入れて、観客にリラックスさせるのは、ハリウッド映画は本当に上手なだ~と思いました。

ちょっと比較で思い出したのは、宇宙モノで感動モノ・・とされた「アルマゲドン」。
今思い返してみると、なんてバカバカしい!映画ww。

それでも、当時はそこそこ感動した記憶があります。・・・・それは、煽りに煽ってお涙頂戴の演出だったからでしょう。
けれども、大人になると、「感動させるぞ~~」とミエミエの演出は、どうも冷めてしまう。

この映画「オデッセイ」は、観ている人の誰もが、主人公のマーク(マット・デイモン)の状況になったら、暮らしていけるだろうか?と主人公にシンパシーを感じながら観る事ができ、過剰な演出も控えめ。

だからこの映画で大きな涙を流すことはないでしょう。でも、鑑賞後の余韻はアルマゲドンよりきっと良いはず。
秀作だな~と思いました!