アルパチーノとロバート・デニーロの関係。ゴッドファーザーからヒートまで。

アルパチーノの魅力に迫ります。アルパチーノはイタリア系のアメリカ人俳優。

身長167cmと、実はとっても小柄なんですね。

しかし、それを声の太さでカバーして存在感は抜群です。あの太い特徴のある声がアルパチーノの魅力であることは間違いありません。

実は、今回アルパチーノを書こうと思ったきっかけは、昨日にディカプリオがアカデミー賞と縁がなく、六回目のノミネートの「レヴェナント」で初の受賞の記事を書いたのですが、

同じように、アカデミー賞にノミネートされながら、なかなか受賞できなかった俳優は・・とすぐに思い浮かんだのが、アル・パチーノでした。

アルパチーノを一躍スターダムにのし上げたのは、映画3作目となる「ゴッドファーザー」のマイケル・コルレオーネ役でした。

あの時のアルパチーノは、まだ今のようにアクは強くなく、マイケル・コルレオーネ役のように、一見すると冷静で物静かな青年を演じる事もできました。

ゴッドファーザーは、世界的に大ヒットを記録して、アカデミー賞を総ナメ。アルパチーノもアカデミー助演男優賞にノミネートされました。しかしあえなく落選します。

しかし、ゴッドファーザーで売れたこともあり、それ以降も立て続けに良い作品に恵まれます。
翌年からセルピコ、ゴッドファーザーⅡ、狼たちの午後 と4年連続でノミネートされますが、すべて落選。

アルパチーノの役柄かもしれませんが、男気を感じる性格だと思いますので、
こうなったら意地でもオスカーを穫ってやるぞ!になりますよねー。

でも、やっぱり人間、欲が出すぎると、周りは引いていってしまうもの。

極度にオスカー狙いがわかるような、わかりやすい演技。自分が目立とう!存在感のある演技をするようになり、監督・プロデューサーから嫌われてしまいます。

結果、1980年代から1990年代にかけて、映画の出演オファーが来なくなり、活躍の場を舞台に移すことになってしまいます。

まだ当時は私は幼かったので、このアルパチーノの不遇の時代は知りません。

ただ、確かにアルパチーノの演技は、どの役も、アルパチーノなんですよね。だから、何か観てて飽きてしまうな・・・と思う時がありました。

レオナルド・ディカプリオは六回目のノミネートでオスカーを手にしましたが、アルパチーノがオスカーを手にするのは、なんとノミネート八回目の1992年の「セントオブウーマン~夢の香り~」でした。

これは、学生時代に観ましたが、ほんとうにアルパチーノの当たり役でしたね。
盲目の退役軍人の役でしたが、盲目の人の仕草・・目が見えない役なので、音がしても目を動かさない。
最後に、学生の前で講演するシーンは、本当に名シーンで、20年以上経った今でも、アルパチーノが演じる役の「フーハー!」という気合いの言葉を覚えております。

アルパチーノを例にとっても思うのは、役者という職業は、早く大成しすぎると、演技に深みがなくなるって事でしょうか。

要するに、演技のレパートリーが、ワンパターンになってしまって、見飽きてしまうんでしょうね。

一方、売れなくて30歳や40歳から花開いた俳優は、演技のレパートリーも広く、奥行きがあるように感じます。

だから、アルパチーノのいったん不遇時代の経験が、演技をワンパターン化させない引き出しをいっぱい造ったのだと思います。

「ヒート」で共演。アルパチーノとロバート・デニーロの関係

アルパチーノとロバート・デニーロは、年齢やイタリア系のアメリカ人、どちらも出発点が反体制の映画・・ということで よく比べられたりしていました。

実際、ゴッドファーザーでは二人とも出演しているのですが、役柄的には親子なのですが、デニーロは、マイケルの父親の若い頃(マイケルが生まれる前)を演じていたので、二人が一緒の画面に出てくる事はありませんでした。

長らく共演がないので、不仲説やらいろいろ出ていましたが、1995年のマイケルマン監督の「ヒート」でやっと二人は共演。インタビューなどでツーショットで肩組んだりするサービスもあり、不仲ではないことをアピールしておりました。
<h4>アルパチーノとロバート・デニーロのわたし的な比較</h4>
皆さんは、この似た年齢、どちらも名俳優と呼ばれる二人ですが、デニーロかアルパチーノ、どちらが好きでしょうか??

私的に分析しますと

アルパチーノ・・・デニーロより男前。声が良い。バラエティーは出ない

ロバート・デニーロ・・・パチーノよりは野暮ったい顔。バラエティもOK。とにかく役者バカで、役作りがすごい事で有名。頭髪を抜いたり、体重は自由自在に役柄にあわせて変化させる。徹底した役釣りは「デニーロ・アプローチ」と呼ばれる。

こう書いてますと、デニーロのほうが、名役者なのは間違いない気がするのですが、どっちが好きな役者かといったら、私は「アルパチーノ」だったりします・・

なぜかといいますと、私の大好きな映画にジョニーデップとアルパチーノの共演した「フェイク」という映画での 「レフティ」役が大好きなんですよね。

「レフティ」は、マフィアの窓際族で、出世競争に負けた老いぼれだけど、情に厚く良いヤツ。そんな役なんですけど、こういうちょっとウザいけど、憎めない・・という役は、アルパチーノが演じると、妙な哀愁を感じるとうか、とってもシンパシーを感じてしまうんですよね。

「フェイク」については、大好きな映画なので、詳細はまた別の記事に書こうと思います。

今回は、アルパチーノの魅力と、ロバート・デニーロの関係にフォーカスしてみました