ミスティックリバー(アカデミー賞2冠)映画感想・政治的主張が見え隠れする

ミスティックリバーは クリント・イーストウッドが監督した2003年のハリウッド作品。 重厚なサスペンス・ドラマで、公開当時から大きな評価を得て第76回アカデミー賞で作品賞を始めとした6部門にノミネート。 ショーン・ペンが主演男優賞。ティム・ロビンスが助演男優賞をそれぞれ獲得した作品です。

ミスティック・リバーの基本情報・感想レビュー

監督: クリント・イーストウッド 公開年: 2003 年 映画時間: 138 分

出演: ティム・ロビンス、ショーン・ペン、ケビン・ベーコン
原題: Mystic RIver 原作: デニス・ルヘイン作のミステリー小説

ミスティック・リバーの評価・採点
かに助おすすめ度 3.5
気軽に観れるか 4.0
2回目観たい度 3.5
管理人の映画感想はこちら

ミスティック・リバーのあらすじ(ネタバレ無し)

少年時代に家が近く、よく遊んでいた悪ガキ3人。ある事件をきっかけに3人のその後の人生を大きく変えます。
それは、3人が遊んでいる時に、性的ないたづら目的の変態おやじ達に、だまされて一人が車で拉致されます。
変態おやじは、3人のうちダレでも良かった。「たまたま選ばれて」車に乗せられた少年は、何日か監禁されて、大きなトラウマを負って生きることになります。
変態に拉致されて監禁された少年は、何日後かに無事確保されるのですが・・。
何があったかは暗黙の了解で触れないでおこうとすると、3人は自然と疎遠になり、25年の月日がたち、それぞれ大人になり家庭を持ちます。
一人は警察官、一人は元服役囚、そして拉致された少年も、家庭を持ち奥さんと息子とひっそりと暮らしています。

元服役囚の男(ショーン・ペン)は、娘が生まれてから食料品店を営み、全うな暮らしをしていましたが、ある日、最愛の娘が突如誰かに殺されてしまいます。

その殺人事件の捜査にあたるのが、少年時代の友人であるケヴィン・ベーコン、そして娘が殺された晩に、飲んでいたBARに偶然居合わせたのが、変態に拉致された少年のティムロビンス。

少年時代にしこりが残ったまま、疎遠になった3人が、その一人の愛娘の殺人事件をきっかけに、また交わる事になります

しかも、ティムロビンスはその夜、手に大きな怪我を負って帰宅しており、妻までもが疑い初めて・・・。

映画「ミスティック・リバー」の評価(管理人の感想)

公開当初から賛否両論ありましたね。大変重々しいサスペンス・ドラマです。題材も重いし、ラストもバッドエンド。鑑賞後は「うーん。重い~」と唸ってしまうこと間違いなしです。

映画としては、退屈することもなく、大変よくできた映画だと思います。クリント・イーストウッド流の王道の映画の作り方が、題材とストーリーとはまって、格調高い映画に仕上がっていると思います。

しかし、ひねくれた私としては、ちょっと違った見方をしてしまったのでした。
ティム・ロビンスとショーン・ペン。何か思い出しませんか?そうです。「デッドマンウォーキング」でこの二人は監督(ティムロビンス)と主演俳優(ショーン・ペン)としてタッグを組んでいます。

「デッドマンウォーキング」は日本でも大きな話題となりました。
ティムロビンスの当時の奥さんのスーザン・サランドンは、この映画でオスカーの主演女優賞を獲得しています。

さて、この映画を観た時も、「ミスティック・リバー」を観た時と同じ感想を持ったのですが・・・何か思想的な主張を感じる映画だなと思ったんですよね。

ティムロビンスのことは、結構好きな俳優なので、いろいろ調べている時に知ったのですが、リベラルの政治的発言をよくしている人で、「死刑制度廃止論者」なんですよね。

レッテルを貼るわけではないですが、これを知った時に、ピンときたというか、「デッドマンウォーキング」なんか、脚本・監督がティムロビンスなので、まさに死刑制度へのアンチテーゼの作品だと思うと、とても納得できる部分が多いというか・・

あくまでハリウッド映画なので、きちんとストーリー性もあり、感動もするのですが、どうも主張が見え隠れするというか・・。
「ミスティックリバー」では、直接的な主張はありませんが、「えん罪」について語っているように思えたりします。

そして、どちらの映画もアカデミー賞から高評価でオスカーを受賞していますが、アカデミー協会は、かなりリベラル思想が強いので、リベラル思想・・・えん罪や死刑制度反対、戦争反対・・などの作品が、ノミネートされやすい傾向にあると思います。

私の見方は、レッテル貼りでしょうか・・。

この映画で、ショーン・ペンが主演男優賞、ティムロビンスが助演男優賞 でオスカー2冠獲得したのですが、ショーン・ペンは、まーそこそこ納得はできるのですが、ティム・ロビンスの演技はそこまで良かったな??というのが正直な私の感想です。
(ちなみに、ティム・ロビンスは好きな俳優で、ほとんどの出演昨を観ていますが、他の映画の演技のほうが好きですね)

映画として、良くできているなーとは思いますが、もう一回見直したい、楽しかったなーとは思えないので、このような評価となりました。